2011/02/23

雑談 : FOOD AND DRINK から脱線して猫舌のはなし

この前、Generals の Food & Drinks を見ていた時に、○○○さんがお話していた「猫舌」のルブリックをどこで探すかという問題について、ここしばらくぼんやりと考えていたんです。

意識の流れみたいな内容ですが、みんなにお伝えしたくて、書いてみました。すごい長いので暇なときにお読みくださいね。

うちのダンナ、日本在住16年目なんですが、旨いラーメンが大好きなのにラーメン屋が混んでいるとゆっくり食べれない。急いで食べると舌を火傷してしまう猫舌の人間で、そのせいか殆ど何時もつけ麺を注文します。

そんな彼ですが、先日「猫舌」の話題になったとき、面白いことを言ってたんです。「日本人は、食べ物の温度も味覚の一つとしてるよね。温度にこだわるもん」って。えっ?西洋だって、レストランで熱々のお料理が出て来ないとクレームでしょ?と訊き返したら、それは運ばれてくるタイミングの話であって、日本ほど熱々のままで食べることを重要視しない、と主張するんですね。スープにしても、ある程度配膳されて冷めてからでも美味しくいただける味付けにしてある。食べるときの適正温度について、西洋料理はそれほどうるさくない、らしいのです。

ま、全ての西洋料理をそんな一概に引っ括められないと思うんですが、この会話の後でもう一つ思いついたことがありました。

味覚と言えば、甘い、苦い、塩辛い、酸っぱいの4つが一般的で、5つ目とされる辛いというのは実際には弱い痛みであって厳密には味覚ではないと言われています。そこに5つ目としてうま味が加わって、これは日本独特の味覚と言われたりしますが、最近では科学的にも受け入れられて今では英語に Umami という言葉まで取り入れられているほどです:

http://webspace.ship.edu/cgboer/senses.html

日本人って、味覚が特に繊細で発達している民族だと思うんですよ、ホントに。味覚としての温度、というのもその鋭敏な感覚からくるんじゃないかなと思ったりしました。

辛いという痛みの感覚も味覚として捉えるなら、温度だって味覚になりうる、これは納得できますよね。西洋だって、赤ワインやチーズは室温に戻した方が味が「ひらく」って言いますし、コーヒーだってちょっとだけ冷めたほうが美味しい。

「味覚としての温度」をネットで探したら、レストラン経営者で、自称、猫舌の人がブログに、Thermal taste (温度の味)という概念について書いていました。

そこには味と温度知覚の関係と、味細胞のイオン・チャンネルについて書かれたNature誌(有名な科学誌)の記事が引用されてました。舌の味蕾ではTRPM5というカチオン・チャンネルの働きが非常に顕著で、このTRPM5は、甘み、うま味、苦みを知覚する役割が大きいと。そして更に、このカチオン・チャンネルが温度にも非常に敏感である、って書いてあるんですよ。

http://leylandjacob.com/2009/08/thermal-taste/

なるほど、日本から来たUmamiと呼ばれる感覚は温度を感知するのと同じイオン・チャンネルを介しているんだ、ってすごく納得しました。それに、あとの2つの甘みにしても苦みにしても、日本料理はこの2つの味をすごく洗練されたレベルで体験させてくれるんですよね。たぶん他のどの文化よりも。

笑。
ぜんぜん○○○さんの疑問へのお答えになってないし。

私は結局何が言いたいんだろう。
こういうことかな…? 一見、日本人の方が猫舌が多いのかな、と思ってしまいそうですが、そういうことではないのかもしれない。それよりも、同じ猫舌という経験(または症状?)でも、日本人において、この経験はより大きな意味や重要性を持つような、文化的な背景があるんじゃないかなと思った訳です。

きっと日本人によるレパートリーがいつの日か生まれたら、「猫舌」というルブリックは載ると思うんですよね。載せましょうね。

それまでシンセシスに頼らなければならない私たちは、

MOUTH - Burns - tongue - sensation
MOUTH - Pain - tongue - burnt, as if
MOUTH - Sensitive - tongue

というルブリックとか、この前見てた GENERALS の中の

Food & Drinks - warm drinks agg, - hot
Food & Drinks - warm food agg. - hot

を参照するしかないのかな。

ちなみに参考まで、猫舌で困っている人のネット掲示板へのお悩み投稿のリンクを2つ貼ります。猫舌は日本人だけではない訳だし。

一つ目のリンクには、レスで「オイラも猫舌!猫舌人間の同盟を作ろうよ」とか、「日本にはneko-jitaって、これを形容する言葉がちゃんとあるのよ」いう微笑ましい発言もあったりします:

http://ask.metafilter.com/57135/TongueFilter-Why-does-my-tongue-burn-so-easily(『なんでアタシの舌ってこんなにすぐ火傷しちゃうの?』)

http://answers.yahoo.com/question/index?qid=20081002140854AAJVlgb(『アタシのベロ、熱いのに敏感だけど、何がいけないの?』)

長々と書いちゃいました。ではでは!

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