2012/02/27

MIND : ANXIETY - shivering, shuddering その1

P. 24

MIND - ANXIETY (不安)

- shivering; during (ブルブルと身震いしている;その間、その最中)

- shuddering, with (ガクガクする身震いを伴なう)

この2つのルブリックの
「震えている間」と「震えを伴う」、
during と with の違いがよくわからない、

というご質問がありました。


最初に、この2つ性質の違う身震いについては、 shivering 「ブルブル」、shuddering 「ガクガク」で何となく分かると思います。勉強会の最中に解説したように、この2つの単語の使用例としてすぐに思い浮かぶのは
Shivering from cold 「寒さで身震いする」
Shuddering from fear 「恐怖でおののく」


少し逸れてしまいました。問題は、身震いしている間と、身震いを伴うのはどういう違いがあるのか、ということですね。

まず、これ、勉強会の最中にまたここを間違えてお伝えしたと思います。よく間違えるのですが、「震えている最中の不安」ではなく、「不安の最中の震え」です。以下がこの間違いの言い訳(笑)

「- shivering; during」と、間にセミコロン「;」がありますね。もしこれが「震えている間の不安」だったら、セミコロンではなく、カンマ「 , 」が入ります。例として、同じページの少し上にあるルブリックを参照してください:

ANXIETY
- rocking, during


これは、「揺らされている最中の不安」になります。
とっても細かい点なのですが、この句読点がルブリックの語順や意味を変えてしまうのです。


では「不安の最中の身震い」と「身震いを伴う不安」の違いについて。これを考えるには、まずルブリックの意味を理解したいと思いました。
「身震いを伴う不安」って、わりとすんなり理解できますが、「不安の最中の身震い」というのは日本語でも英語でも、少し不自然な表現ですね?なんで「最中」って言うの?と思ってしまいます。
「During〜 (〜の最中)」という表現は、その「〜の状態・状況」に、期間、持続時間、始まりや終わりなどの境目があったり、もしくはそれは明らかに前後の状態・状況と異なる特徴的なものであることを示すように思います。「During menses 生理中」、「During stool 排便中」、「During headache 頭痛の最中」など。

だけど通常、パニック障害などの不安発作は別として、「不安の状態」は、始まりや終わりなどの境界も曖昧ですし、前後とはっきり区別できるものとして捉えたりしませんよね。

シンセシス・レパートリー1冊だけではどうしても分からないこともあるので、三角測量的なアプローチで、他のレパートリーを開いて、問題のルブリックに対応するルブリックを探します。他のレパートリーという別の角度から、同じ(あるいは類似する)ルブリックを検討することで、意味をもっと立体的に理解できるんです。また、どんな変遷を辿って、元の症状から現在のルブリックの表現に至ったのか、分かることがあります。

そこで、このルブリックを、MacRepertory 搭載の Complete Repertory で探してみました。やはりレパートリーによって、違うのですね。

Completeに「Anxiety - shuddering, with ガクガクする身震いを伴なう」こちらは同じルブリックが見つかりました。
「Anxiety - shivering; during 」は見当たりません。代わりに「Anxiety - shivering, with ブルブルする身震いを伴う」というルブリックは載っていますが、レメディはなく、前述の「shuddering, with」を見るように、となっているだけです。この「shuddering, with」に記載されているレメディは、Synthesis の「shuddering, with」と「shivering; during」の2つのルブリックに入っているレメディを(ほぼ)全部合わせたような内容です。


これを見て「そうか、要するに with と during は同じ意味で考えてよいのね」と解釈するのも、アリだと思いました。状況を想像してみても、不安を感じている最中に震えるのと、不安の気持ちがあって震えもあって、というのと、同じですよね。レパートライズするとき、その身震いの質にこだわらないのであれば、この2つのルブリックを組み合わせて使うのがよいかもしれませんね。


一応、Mさん、以上が私が考えたことです。はっきりした結論は出せませんが、少なくともこの「不安があって、身震いしている」状況であれば「伴う」のも「その最中に」もあまり違いはないのかな、と。でも、もしかすると他のルブリックでは、重要な差があるのかもしれません。そんなルブリックに出くわしたら、また一緒に考えましょうね。

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