2012/09/19

レメディ:Galla-q-r. (=Querc-cyn.)

Galla-q-r.
Galla quercina rubrum


Galla-q-r ブナ科のイギリスナラ(オーク)の木にできた寄生虫、たま蜂の「虫こぶ」から作られたものです。


レメディ名の由来は
Galla (=gall、虫こぶ、没食子)
quercina rubrum (=red oak、日本語では楢ではなく「赤柏」って呼ばれているみたいです。)

また、非常に紛らわしいのですが、MacRepertoryに入っているComplete Repertoryなど、ほかのレパートリーでは時々

Querc-cyn.
という名前でも載っています。

こちらのレメディ名の場合、Quercina(柏) + Cynips (タマバチ)
原料にハチの幼虫 (卵かな?)も含まれていることがレメディ名で分かります。

こぶと言っても、樹の幹や枝にできるものを想像することが多いですが、このオークの場合、
どんぐりの代わりに(本来ならどんぐりが実る部分に)つやのあるグリーン色の、ツンツンした形の異常生長物をつけていたそうです。

イギリスのSchool of Homeopathy の Misha Norland先生のご自宅の前の道路沿いに立っているオークの樹に発生したもので、
ある年の秋、いつもならどんぐりを落とす時期に、この瘤をどんどん落としていたそうです。
Misha先生はそれをいくつか拾って、すり鉢ですりつぶして、ホメオパシー調剤薬局に送ってポテンタイズしてもらい、プルービングを行なったそうです。すりつぶした瘤は奇妙な甘い腐敗臭を放ったと書いています。

プルービングのサイトには写真も載ってます。ひとつの小枝に正常などんぐりとgallnut虫瘤が両方くっついています。

http://www.hominf.org/gall/gallfr.htm


また、Gallという言葉ですが、
「胆汁」という意味で使われたり、胆汁のように苦々しいもの、憎しみや遺恨という意味にも使います。「Gallbladder (胆汁の袋)」は濃縮した胆汁を蓄えてくれている胆嚢です。虫こぶから採れたgallも胆汁のように黄色くて、苦いのですね。

植物の虫こぶから採れたGallは染め物や皮革のなめしに使われるタンニンのもとで、関連するレメディで没食子酸のGallicum acidum (Gall-ac.) というのがあります。参考に比較してみるのも面白いかもしれません。

2012/09/10

MIND : ESCAPE - street

p. 106

Escape, attempts to:
- street; into
・gesticulating and dancing in their shirts

逃げようとする:
- 街中に逃げ出していく
・シャツ姿で身振りをしたり、踊ったりしながら : Bell. (2点)

えー(笑)なに、シャツって?
と思いましたよね。

Knerr(クネールと発音するのかな?ネール?)のレパートリーが出典として記載されてますが、ヘーリングのGuiding SymptomsやアレンのEncyclopediaに元となった一節がありました:

Insanity; they stripped themselves, and, clad only in their shirts, ran out into the streets in broad daylight, gesticulating, dancing, laughing, and uttering and doing many absurd things.
狂気;彼らは服を脱ぎ捨て、シャツだけを着た姿で白昼の街に走って出て行き、身振りをしながら、踊り、笑い、色々な馬鹿げたことを声に出したり、馬鹿げた行動をとった。


ということだそうです。
この様子では、「逃げている」ようにはあまり思えませんけれど...
それに「they、 彼ら」って、複数の人が同時にこんな行動を見せた感じですよね?これはプルービングの様子でしょうか?それとも、ベラドンナ中毒に関する記述?集団ヒステリー?